我輩が高校生のときの出来事。
夜の10時か11時かそのあたり、テレビを見終わって2階の自室に行く途中の階段でのことだ。
トントンと階段を登っているとき、ふと左側の壁を見たらいたのだ、でっかいのが。
本気で大きかった、白い蜘蛛。
胴体は握りこぶし位で両足を広げた状態で、壁にジッとしてた。
我輩の長兄は中学時代に剣道部だったので、家に竹刀が2本あった。
その竹刀で目の前にいる蜘蛛を潰さなければならん、そう思った我輩は竹刀を手に取り潰しにかかった。
ところが、何度突いても不思議な事に当たらないのだ。
多少ビビってた事もあるが、これではイカンと思い直し狙いを定めて突く!
当たった、左の一番下の足に当たった。
よく見ると潰れた部分から内容物が見えたのだが、その蜘蛛はびくともしてない。
我輩はすぐにハッとした、もしかしたらこの巨大な白い蜘蛛は、家の主なんじゃないだろうか。
もしかしたら、物凄く罰当たりな事をしでかしてしまったか。
怖くなった、家の主の足を潰してしまった、怖い…
自室に戻り「ごめんなさい、足を潰してごめんなさい」
布団の中でつぶやき続けた。
翌朝、恐る恐る壁を見たが、何の痕跡も残っていなかった。
竹刀の先は怖くて見てない。